【大牟田市】農地転用の手続き・許可・費用はどれくらい?

農地は「農地のまま」でなければならない土地であり、農地以外の用途に変えるには原則として農地法に基づく手続きが必要です。

本記事では、大牟田市で農地転用に関する手続きの種類、許可・届出の違い、必要書類、費用の目安、注意点までを、大牟田市や福岡県の公式情報をもとに解説します。


農地転用とは?

農地転用とは、農地を農地以外の住宅や工場などの建物敷地、駐車場、資材置場、道・水路、山林などに転換することをいいます 大牟田市ホームページ

農地を転用する場合は、農地法に基づく手続きを行い、行政の審査または確認を受ける必要があります。

大牟田市で農地を住宅・駐車場・資材置場などにする場合

  • 一戸建て住宅の敷地
  • アパート・賃貸住宅の敷地
  • 駐車場
  • 資材置場・倉庫・作業場の敷地
  • 店舗・事務所の敷地
  • 道路・水路などの公共用地

「農地だから」と放置してそのまま資材を置いたり、舗装したりすると、無許可転用として問題になることもあります。

大牟田市の農地転用は「許可」と「届出」のどちら?

大牟田市は全域が都市計画区域に指定され、都市計画法に基づき「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分されています 大牟田市 都市計画

区域農地転用の手続き
市街化区域届出(許可は不要)
市街化調整区域許可(福岡県知事の許可が必要)

市街化区域なら農地転用の「届出」

市街化区域は、既に市街地を形成している区域や、道路・公園・下水道などの都市施設を重点的に整備して計画的に市街化を図る区域です。

市街化区域にある農地の転用は、許可は不要ですが、必ず転用の届出を提出する必要があります。届出は随時受け付けており、受付から約2週間程度で受理通知書が交付されます。

市街化調整区域なら農地転用の「許可」

市街化調整区域は「市街化を抑制する区域」であり、農地転用が原則として制限されるエリアです。市街化調整区域内の農地を転用する場合は、福岡県知事の転用許可が必要です。

許可の審査では、農地の営農条件、周辺農地への影響、転用事業の確実性などが確認され、許可基準を満たしているかが判断されます。

転用する面積が4ヘクタールを超える場合は、許可権者が福岡県知事から農林水産大臣に変わります。

農地がどの区域にあるかを最初に確認する

  • 「おおむた地図ナビ」でオンライン確認
  • 大牟田市公式サイトで都市計画図(PDF)を閲覧
  • 大牟田市庁舎1階の売店で都市計画図を購入

また、転用したい地番を明確にしたうえで、農業委員会事務局(0944-41-2885)に直接問い合わせるのが確実です。


農地法4条と5条の違い

農地転用の手続きには、農地法第4条に基づくものと第5条に基づくものがあります。誰が転用するのかによって使い分けられるため、しっかり理解しておきましょう。

農地法4条|自分の農地を自分で転用する場合

農地法第4条は、農地の所有者が自分で利用するために転用する場合の手続きです。例えば、自分が所有する田んぼを自分の住宅の敷地にするケースなどが該当します。市街化区域なら4条の届出、市街化調整区域なら4条の許可申請を行います。

農地法5条|農地を売買・賃貸して転用する場合

農地法第5条は、農地の所有者以外の者が農地を買ったり借りたりして転用する場合の手続きです。例えば、農地を売却して買主が住宅を建てるケース、農地を借りて駐車場を経営するケースなどが該当します。売買・賃貸を伴うため、売主・買主双方の関与のもとで手続きが進みます。

4条と5条の違いを具体例で比較

ケース該当する手続き
自分所有の農地を自分の駐車場にする農地法4条(市街化区域なら届出/調整区域なら許可)
自分所有の農地に自分の住宅を建てる農地法4条
農地を売って買主が宅地にする農地法5条(市街化区域なら5条の届出/調整区域なら5条の許可)
農地を借りて資材置場にする農地法5条
相続した農地を売却し宅地化する農地法5条

大牟田市で農地転用するときに注意したい土地

農用地区域に指定されている農地に注意

農業振興地域整備法に基づく農用地利用計画に指定されている農地は、農地転用の前に農用地の除外手続きが必要になる場合があります。青地の農地は農業上の利用を確保すべき区域のため、市街化調整区域以外の農地であっても制約が強くなります。

市街化調整区域では他の許可にも注意

市街化調整区域では、農地転用許可に加えて、都市計画法第29条に基づく開発許可が必要になることが原則です。農地転用の許可だけ得ても、開発許可が得られなければ建築工事に入れないケースがあります。

転用目的や計画によって許可されない場合もある

市街化調整区域での農地転用許可は、農地の営農条件や周辺農地への影響、転用事業の確実性などを総合的に審査して判断されます。

  • 転用目的が曖昧で、事業計画の確実性が認められない
  • 周辺の営農環境を大きく損なうおそれがある
  • 転用後の土地利用(建築物の有無など)が法令上の要件を満たさない
  • 農用地区域など制約の強い区域に指定されている

大牟田市で農地転用する手続きの流れ

① 農地の場所・地番を確認する

登記簿上の地番を正確に確認します。登記事項証明書や公図(字図)が手元にない場合は、法務局で取得しましょう。

② 市街化区域か市街化調整区域かを確認する

「おおむた地図ナビ」や都市計画図で、対象農地の区域区分を確認します。不明な場合は農業委員会事務局に問い合わせましょう。

③ 農地転用の計画を作成する

転用後の用途(住宅・駐車場・資材置場など)、転用面積、工事計画、資金計画などを具体化します。調整区域の許可申請では資金計画書や資力を証する書類も求められます。

④ 必要書類を準備する

区域区分と4条・5条の区分に応じて、申請書類を準備します。詳しい書類の内容は後述します。

⑤ 農業委員会へ申請・届出する

市街化調整区域の許可申請は、許可申請書の受付が毎月25日締切です。その後、農業委員会総会で意見決定が行われ、県農業会議の意見書を経て県知事の許可通知は月末に出され、農業委員会から許可書が交付されます。

一方、市街化区域の届出は随時受付で、受付から約2週間で受理通知書が交付されます。

⑥ 許可・受理後に工事などを行う

許可書・受理通知書を受け取ってから、転用行為を開始します。許可を受ける前の工事は無許可転用となるため、絶対に行わないようにしましょう。


大牟田市の農地転用に必要な書類

農地転用許可申請に必要な主な書類

  • 農地転用許可申請書
  • 土地登記簿謄本
  • 位置図
  • 公図
  • 周辺土地利用図
  • 資金計画書・資力を証する書類
  • 申請地の現況写真
  • その他、転用計画や区域に応じた添付書類

書類の詳細な一覧は、福岡県の「農地転用許可申請に必要な書類」PDF に整理されています。

農地転用届出に必要な主な書類

  • 届出書(農地法第4条・第5条)
  • 登記事項証明書
  • 字図(公図)
  • 位置図
  • 登記事項証明書の住所と現住所が異なる場合、履歴のわかる住民票
  • その他参考となる書面・図面

届出は書類が揃っていればスムーズに進み、受付から約2週間程度で受理通知書が交付されます。

登記事項証明書や字図などを準備する

登記事項証明書は法務局で取得できます(1通あたり600円前後)。字図は法務局または市役所で取得でき、手数料は自治体によって異なります。

ケースによって追加書類が必要になる

  • 売買・賃貸を伴う転用→ 売買契約書・貸借契約書
  • 農用地区域の農地 → 農地転用許可申請の前に農振除外手続きが必要
  • 市街化調整区域 → 開発許可の要否確認、同意書など
  • 他人名義の農地や共有農地 → 権利関係を証明する書類、共有者の同意書

書類の過不足は審査の遅れにつながるため、事前相談でチェックリストをもらうと確実です。


大牟田市の農地転用にかかる費用

農地転用を自分で行う場合の費用

農地転用の申請・届出自体にかかる行政手数料は、原則としてかかりません。自分で手続きを行う場合、実際にかかる費用は以下のような書類取得費が中心です。

  • 登記事項証明書:1通あたり600円前後(必要数枚)
  • 字図・住民票などの取得手数料:数百円〜
  • 郵送費・交通費など

自分で手続きできる場合、書類実費だけで数千円程度に抑えられます。

行政書士に依頼する場合の費用

手続き報酬の目安
農地法4条・5条の届出(市街化区域)3万円〜5万円程度
農地法4条・5条の許可申請(市街化調整区域)6万円〜17万円程度
農振除外手続き(農用地区域からの除外)15万円〜25万円程度が目安

届出と許可では難易度が大きく異なるため、許可申請のほうが報酬が高くなる傾向があります。多くの事務所で初回相談は無料です。複数の事務所に見積もりを取って比較するのがおすすめです。

農地転用以外の許可・手続きが必要になる場合

場合によっては、以下の手続き費用も発生します。

  • 開発許可→ 申請手数料は自治体による、行政書士報酬は別途
  • 建築確認申請
  • 農振除外手続き→ 行政書士報酬15万円〜25万円程度が目安
  • 地目変更登記→ 後述

「農地転用の許可が下りれば終わり」ではなく、その後の許可・手続きまで含めて費用計画を立てることが大切です。

農地転用後は地目変更登記が必要?

農地転用許可と地目変更登記は別の手続き

農地転用の許可(または届出の受理)は、あくまで「農地としての制限を解除する」ための行政手続きです。一方、地目変更登記は、登記簿上の地目(田・畑など)を実際の土地の用途(宅地など)に変更する登記手続きで、まったく別のものです。

農地転用の手続きが完了したからといって、自動的に登記簿の地目が変わるわけではありません。

農地転用後に地目変更登記をするケース

駐車場や資材置場などへの転用後、登記上の地目を「田」「畑」のまま放置すると、固定資産税の評価や売却時の登記手続きに影響が出ることがあります。以下のようなケースでは地目変更登記を行うのが一般的です。

  • 住宅用地として転用した
  • 駐車場・資材置場など恒久的な土地利用に転用した
  • 農地を売却して買主が宅地などにする場合

地目変更は、転用の完了後に登記簿の地目を実際の現況に合わせて行います。時期や要否は土地の状況によるため、専門家に確認しましょう。

地目変更登記は土地家屋調査士に依頼できる

地目変更登記は、土地の表示に関する登記のため、土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。手続きには登録免許税(不動産1個につき1,000円程度)がかかり、調査士への報酬は測量の要否や土地の状況により異なります。

農地転用の手続きを行政書士に依頼した場合でも、地目変更登記は別途土地家屋調査士に依頼することになります。転用計画の段階で、調査士にも相談しておくとスムーズです。

大牟田市で農地転用するときの注意点

許可を受ける前に工事を始めない

農地転用の許可・届出の前に造成や舗装などの工事を始めると、無許可転用として法令違反となり、罰則の対象になったり、原状回復の命令を受けたりする可能性があります。市街化区域の届出であっても、受理通知書の交付前に工事を始めるべきではありません。許可・受理を確認してから工事を開始しましょう。

農地転用だけでなく開発許可などが必要になる場合がある

市街化調整区域で建築物の建築を伴う開発行為を行う場合は、農地転用許可に加えて都市計画法第29条の開発許可が必要になることが原則です。また、市街化区域でも一定規模以上の開発行為には開発許可が必要な場合があります。

転用後の用途に応じて、農地転用→開発許可→建築確認の順に手続きを進める必要があることを理解しておきましょう。

市街化調整区域では建築できる建物にも注意

市街化調整区域は市街化を抑制する区域のため、建築できる建物が原則として制限されています(例:農家住宅、公益上必要な施設、既存集落内の一定の建築物など)。駐車場や資材置場であっても、その後の建築計画に影響が出る可能性があるため、大牟田市の「市街化調整区域の建築制限」のページや都市計画課で事前に確認しましょう。

農地転用後の手続きまで確認しておく

農地転用の許可を受けたあとにも、報告義務があります。福岡県では以下のような書類の提出が必要です 福岡県ホームページ

  • 工事進捗状況報告書・工事完了報告書:許可日から3か月後およびその後1年ごと、工事完了時に報告
  • 事業実施状況報告書(資材置場など建築物を伴わない転用の場合):工事完了報告後から3年間、6か月ごとに報告
  • 栽培実績書・収支報告書(営農型太陽光発電設備の場合):毎年報告
  • 営農の継続が確保されなくなった場合なども、農業委員会を経由した報告が必要

許可後に報告義務を果たさないと問題になることがあるため、「許可が下りて終わり」ではなく、その後の報告手続きまでスケジュールに入れておくことが重要です。


まとめ

大牟田市で農地転用を行う場合のポイントを整理します。

  1. 農地が市街化区域市街化調整区域かを最初に確認する
  2. 市街化区域は届出、市街化調整区域は福岡県知事の許可が必要
  3. 自分で転用するなら農地法4条、売買・賃貸を伴うなら農地法5条
  4. 市街化調整区域は許可申請の**締切(毎月25日)**に注意
  5. 手続き自体の手数料は原則不要だが、行政書士に依頼する場合は数万円〜十数万円の報酬が目安
  6. 転用後は地目変更登記や工事完了報告書などの事後手続きもある

「大牟田市 農地転用」に関する手続きは、まず大牟田市農業委員会事務局への無料相談から始めるのが最も確実です。

【お問い合わせ先】

※本記事の情報は2026年9月時点のものです。法令改正や制度変更により内容が変わる場合がありますので、必ず最新の公式情報をご確認ください。